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MIむし歯治療

MIむし歯治療

MI(Minimum Intervention)とは、直訳すると『最小限の侵襲』となります。
MIは色々な意味がありますが、要約すると治療介入を必要最小限とし、歯を削る量も必要最小限にする事』です。
徹底的にこだわった接着修復治療を行う事により歯の寿命の延長を狙います。
特に初めてのむし歯になった歯には、歯のダメージが最小限の為、その先の歯の寿命に大きく影響することが考えられます。
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MIむし歯治療

むし歯治療で大事なこと 5つ

1.御自身のむし歯のリスクを知る、対策を立てる。
2.歯を出来るだけ削らない。
3.神経を可能な限り残す。
4.ラバーダムを用いる。
5.むし歯を取り残さない。
①御自身のむし歯のリスクを知る、対策を立てる。
②歯を出来るだけ削らない。
歯を削る量は、治療法により随分と変わります。歯は削れば削るほど寿命が短くなりますので、必要最小限の削合が望ましいです。最近は、患者さんの清掃状態やフッ素入り歯磨剤の使い方が適切で初期のむし歯であれば、削らずに経過観察する事もあります。
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③神経を可能な限り残す。
歯の寿命に大きく影響を与えるのが歯の神経が生きていることです。歯のメインテナンスの論文✴︎でも、神経がない歯は神経が生きている歯と比較し抜歯になる確率が高いと結論づけています。むし歯が深く、神経にむし歯菌の感染が起こると神経を失うリスクが上がります。そんな場合でも、いかに歯の神経を保存できるが重要で、歯の寿命の延長に大きく寄与します。当医院では、むし歯除去中に神経が露出しても、マイクロスコープの強拡大で神経の状態を確認し、保存可能と判断した場合は、特殊なセメント(MTAセメント)で歯髄の保存を試みます。
✴︎Risk Factors for Tooth Loss in Patients Undergoing Mid-Long-Term Maintenance: A Retrospective Study
Hiroo Kawahara 2020
④ラバーダムを用いる。

『ラバーダム防湿』あまり聞きなれない言葉かもしれません。

下の写真の青いゴムのシートが、ラバーダムシートと言われます。

 

ズバリ、ラバーダムとは『治療の成功率を格段に高め、患者さんが安全に治療を受けられる』道具です。当医院では、根管治療やう蝕治療(ダイレクトボンディング)の際には99%使用しております。

 

ラバーダム使用の利点

①治療部位が唾液等で汚染される事(細菌感染)を防ぐ事

②劇薬や器具が口腔内に誤って入る事を防ぐ(誤嚥・誤飲防止)

③接着材料を使用する際の接着強度が格段に上がる(詰め物が外れにくい)

④治療器具から出てくる水が口の中に溜まらない。

等の利点がたくさんあります。

 

実際に患者さんからも、『根っこの治療こんなに楽やったんやね。』『水が流れてこんけん、楽!』『削る器具から守られてる気がして、安心感があるね』という嬉しい言葉を頂いております。

 

では、Q.日本ではラバーダムがあまり使用されていない理由はなんでしょうか?

A.コストがかかる事とラバーダムをつける技術が必要な為、日本ではあまり広く普及していません。

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⑤むし歯を取り残さない。
むし歯を過不足なく除去することは、実は単純に思えて難しいことです。
取り残さないようにすれば、過剰に削る可能性があり、場合によっては神経が露出してしまい、結果として歯の寿命を縮めます。
神経が露出しないように、控えめにむし歯を除去すると、むし歯を取り残し、後々問題を引き起こす可能性があります。
 
Q.では、過不足なくむし歯を除去するためには、何が必要でしょうか?
A. 1.丁寧にむし歯を除去するには十分な時間が必要です。
  2.マイクロスコープや倍率の高い拡大鏡です。
    3.むし歯の検知液を用いて、取り残しをなくす事です。
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MIについて、もう少し詳しく知りたい方は、下記を参照下さい。

 

歴史を紐解いていくと、✴︎

2000年に国際歯科連盟(Fédération dentaire internationale : FDI)が初めて Minimal Intervention の考え方を提唱。

2002 年には政策声明として提唱。

2016 年には これが Minimal Intervention Dentistry(MID)に改定されました。

 

MIDの基本的な考え方は、以下の 6 項目です。

 

● FDI POLICY STATEMENT(Poznan, Poland, 2016)

1)早期にう蝕病変を発見し、う蝕リスクと活動性を評価する

2)エナメル質および象牙質の脱灰病変の再石灰化を図る

3)健全歯質を最大限に保存する

4)各個人に最適なメンテナンスを実施する

5)歯の寿命を考慮して、修復処置による介入を最小限にとどめる

6)欠陥のある修復物は再修復により補修する

✴︎う蝕治療ガイドライン第3​版 日本歯科保存学会より引用改変

MIDの考え方は、当クリニックの方針と合致した治療方針です。

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